薬剤性過敏症症候群について

#1. 原因薬剤がフェノバルビタール・フェニトイン・カルバマゼピン・ゾニサミド・ラモトリギン
DDS・サラゾスルファピリジン・メキシレチン・アロプリノール・ミノサイクリンに限定される。
#2. 原因薬剤の投与開始2~6週間後に発症。
#3. 発熱、抹消血の白血球増多、異型リンパ球の出現、好酸球増多、肝機能障害、全身のリン
パ腫張。
#4. これらの症状が原因薬剤の投与中止後も進行したり、再発を繰り返したり、軽快するまで
1ヶ月以上の経過を要する。それに対して通常の薬疹では、原因薬剤を投与すると 速や
かに発症し、中止すると症状が直ちに消退することが多い。
#5. 皮疹は斑状皮疹型(ときに多形紅班)で始まって紅皮症となることが多い。

{keyword}
DIHS・フェノバルビタール・フェニトイン・カルバマゼピン・ゾニサミド・ラモトリギン・DDS・サラゾスルファピリジン・メキシレチン・アロプリノール・ミノサイクリン

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経皮感作と食物アレルギーについて

経皮感作というメカニズムがはっきり提唱されたのは、実はごく最近のこと。

ピーナッツアレルギーに関しては欧米に多くの報告があるが、ピーナッツを食べた事がない乳児にアレルギーが起こるこれらの事実は母乳による感作だろうと推測されていた。

ラック先生はご自身の2003年に行ったコホート研究の結果、乳児期のピーナッツアレルギーにおいては、ピーナッツオイルを配合したスキンケア製品の使用が発症リスクになる可能性をみいだした。

「食べることは経口免疫寛容を促すのであって食物アレルギーを起こすには経皮的な曝露が重要ではないか」という仮説です。

それに加え2006年にフィラグリン遺伝子変異がアトピー性皮膚炎の発症要因になる事が判明して皮膚バリア障害から始まる病変がラック先生の仮説を裏付けることがわかってきた。

更に2009年のJACI(Journal of Allergy and Clinical Immunology )にその説を発表し、二重抗原曝露仮説として公にされた。

いわゆるラック先生の2003年の食物の経皮感作の可能性を示す論文と2006年のアトピー性皮膚炎をめぐるフィラグリン遺伝子の研究が(繰り返しますが)2008年のラック先生の二重抗原曝露仮説の論文になったと思われる。

しかしながら、ピーナッツの経皮感作によるピーナッツアレルギーが全て解明したとは思えない。何故なら、フィラグリン遺伝子変異によるバリアが壊れている人は30%に過ぎず他の70%の人はそれ以外の遺伝子的要因並びに環境要因が関わっていると想定される。

例えば、角質層。セラミドやタイトジャンクション等の皮膚のバリアの防衛機能がどこかで壊れれば同じようなケースが考えられる。

ピーナッツアレルギーは母親がよくピーナッツを食べるからとも言われ、その消費量と空気中に舞っている量が比例するとされているから環境的要因も考えなければいけない。

参考文献:SEMINARIA DERMATOLOGIE (No.221 P.4~14)
(2013.11)

{Keyword: 食物アレルギー・経皮感作・ピーナッツ・フィラグリン遺伝子・皮膚バリア障害}

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加水分解コムギによる経皮感作について

#1.いわゆる茶のしずく石けん(加水分解コムギ含有石けん)による 加水分解コムギ型小麦アレルギー[Aタイプ]は通常の小麦アレルギーと異なり、以下の特徴を有している。

通常型小麦アレルギー[Bタイプ]は ω-5グリアジンと高分子グルテニンのいずれか、または両方にアレルギーを示すのに比べ加水分解コムギ型小麦アレルギーは、多くは小麦とグルテンに対してアレルギーを示す。

#2.加水分解コムギ含有石けんの使用とは無関係に小麦アレルギー[Bタイプ]を発症する患者は全身の膨疹、蕁麻疹が主症状であるのに対して [Aタイプ]は眼瞼浮腫の主症状を伴う。

[Aタイプ]が顔面浮腫を主体とする理由は、加水分解含有石けんを顔面に使用した為。まず、接触蕁麻疹を発症し その後交叉反応の為 経口摂取した小麦蛋白質でアレルギーを起こした。

[Aタイプ]は原因となる石けんが 洗顔のため顔面に使われ、値段が高いため体中には使用してなかった。また、圧倒的に患者は女性が占め感作部位が顔面であり 眼瞼浮腫を呈した。

#3.[Aタイプ]は加水分解コムギ含有石けんの使用を中止すると 小麦グルテンIgEもどんどん低下し陰性になります。すなわち [Aタイプ]の場合、IgEは数ヶ月から数年で低下し、しかも症状も軽減し小麦製品も少しずつなら食べてもよい状態になります。

ここで疑問になるのは、ソバアレルギーです。ソバアレルギーの場合はずっと制限していた状態が続いた後 間違えて摂取しアレルギーを起こすことはよくあります。その違いは、ソバは自然界に存在する蛋白質で 我々は絶えず曝露されている状態にあるのに対し、この加水分解コムギは自然界には存在しない人工的な蛋白質なので それに対して作られたIgEは低下していきます。

#4.加水分解コムギ含有石けん ならびに食物に入っている加水分解コムギは様々な種類の加水分解コムギの中で この2つだけ分子量の大きい蛋白質を多く含有していた。また、患者の血液が過敏に反応することがわかった。つまり、高分子蛋白質がひとつの問題点。

#5.[Aタイプ]の患者は小麦・グルテンCAP-RASTで経過を追っていくと、ほとんどの患者で値が低下。しかし、完治の状態に至っていない。(2013.9.20)

※参考文献(Seminaria Dermatologie No.221 P4~P14)

{Keyword: 加水分解コムギ・経皮感作・小麦アレルギー・膨疹・蕁麻疹・眼瞼浮腫・ソバアレルギー・小麦グルテン・CAP-RAST}

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島根の冬に多発するアナフィラキシー

#1.牛肉・豚肉アレルギーに加え カレイ魚卵アレルギーの合併症の報告。
子持ちカレイ摂取後の症状は全員が蕁麻疹を発症し 20名中11名がアナフィラキシー、更に7名がアナフィラキシーショックを発症。20名中17名が牛肉・豚肉アレルギーの合併。17名中16名はカレイ魚卵アレルギーよりも牛肉・豚肉アレルギーが先行していた。
この20名の血液検査では、全員にCPA-RASTで牛肉・豚肉特異的IgEが検出されたが鶏肉特異的IgEは陰性だった。しかしながら患者血清を使用したウェスタンブロッド法ではカレイ魚卵不溶性蛋白質に対する患者血清中IgEの結合を認めカレイ魚卵不溶性蛋白質が抗原であると推測した。又、20名中7名ではカレイ魚卵を用いたプリック-プリックテストを行い全員が陽性。

#2.カレイの魚卵と牛肉の交叉反応を確認の為 阻害検査を行う。その結果、患者血清中のIgEが反応した カレイ魚卵のバンド強度は、加えた阻害剤である牛肉可溶性蛋白質の濃度に依存して減弱。言い換えれば、牛肉可溶性蛋白質とカレイ魚卵不溶性蛋白質に含まれる抗原は交叉反応を示すことがわかった。

#3.このアレルギーの交叉には 続きがある。2008年にChungらが抗癌剤であるセツキシマブの投与によるアナフィラキシーがアメリカの一部の地域に多く発症するとを報告。
更に抗セツキシマブに存在するgalactose-α-1,3-galactose(α-gal)という糖鎖は2009年Comminsらは、牛・豚・羊などの哺乳類に豊富に存在するため これらを摂取する時アナフィラキシーを起こす事を報告した。
言い換えれば、セツキシマブアレルギーと牛肉アレルギーは同一の糖鎖が抗原となっているために 両者に交叉するということになる。
2011年Comminsらは、これらアナフィラキシーが吸血ダニが原因であることを報告した。つまりロッキー山紅斑熱の好発地域でマダニに咬まれたことのある人は、マダニ蛋白に対するIgE抗体とα-galに対するIgE抗体がいずれも高く両者に関係があることを突き止めた。つまり牛肉アレルギーとセツキシマブアレルギーを発症する可能性がある。

#4.島根県は日本紅斑熱の好発部位でありマダニに咬まれた可能性が充分にある。島根において、牛肉アレルギーやカレイ魚卵アレルギーが多発していることには大きな意味があると思われる。
(2013.9)

※参考文献(千貫祐子 第63回日本皮膚科学会西部支部大会)
{Keyword: 牛肉アレルギー・豚肉アレルギー・カレイ魚卵アレルギー・アナフィラキシー・セツキシマブ・ロッキー山紅斑熱・マダニ・日本紅斑熱}

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帯状疱疹の疫学(特に宮崎スタディについて)

#1・宮崎県内の46施設において実施した 帯状疱疹初診患者に関する
   大規模疫学調査。
#2・1997年~2006年の10年間に患者数23%、発症数26%増加。
#3・男女別にみると男性の発症率3.67/1000人、女性の発症率4.58/1000人で
   男性と比べ女性の発症率が高い。
#4・年齢別の患者数は10歳代で小さなピーク、70歳代を中心とした大きなピーク。
   これは、全体の発症率増加の要因になっている。
#5・季節ごとの患者数は夏に増加し 冬に減少という季節変動が認められ、
   水痘には正反対の流行パターンを示した。
   これは、水痘の減少によるコミュニティ全体で水痘、帯状疱疹ウィルスに対す
   る追加免疫効果が得られず 帯状疱疹が増加したためと思われる。

参考文献 Toyama N etal:J Med Virol :81(12)2053-2009.
Keywoad (帯状疱疹・水痘)

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乾癬に於けるシクロスポリン内服治療の注意点

#1.患者の希望に即してネオーラルの積極的治療を行う事は大切。
#2.ネオーラルはQOL低下の原因となる痒みを軽減。
乾癬の痒みはQOLを低下させている。一方 乾癬の痒みは関節炎の有無、乾癬の重症度(PASI)、羅病期間とは無関係。
#3.ネオーラルの副作用は投与量と投与期間に依存する事が知られている。
低用量を短期間(8~12週間)間歇的に投与する方法が推奨されている。
#4.ネオーラルを3ヶ月投与する間歇的投与を行った場合PASTの低下とともに痒みを改善、QOLの改善をみる。
#5.ネオーラルの副作用では 腎障害、高血圧、発癌に注意。
ネオーラル投与前には血清クレアチニン値2回測定。最初の1ヶ月2回、その後1ヶ月に血清クレアチニン測定。投与前と比べて30%以上上昇したケースはネオーラルを減量・中止。
血圧が140/90mmHgを超えて上昇の場合 アムロジピン、アゼルニジピン、マニジピンなどのCa拮抗薬を処方。発癌については露光部位の皮疹に注意。
#6.肥満の改善でネオーラルの効果。
#7.シクロスポリンはTh17のみならずTh1も抑制。

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アトピー性皮膚炎に於ける皮膚バリア、免疫、痒みの関係

#1.バリア破壊の原因として「フィラグリン異常」が注目されている。
    アトピー性皮膚炎患者では 遺伝子異常に関係なく患部、非患部ともにフィラグリン発現が低下。
#2.外来抗原に対する皮膚免疫反応は多様。
    アレルギー反応には①IgEを介した即時型反応
                 ②好酸球を介して遅発型反応
                 ③T細胞を介して遅発型反応
    Thザブセットと疾患と疾患との関連
                 Th1 接触性皮膚炎(遅延型)
                 Th2 アトピー性皮膚炎(即時型)
                 Th17 乾癬
#3.ランゲルハンス細胞やTSLPもアトピー性皮膚炎において重要な役割
    ランゲルハンス細胞(-)マウスはアトピー性皮膚炎誘導が減弱。
    TSLP受容体(-)マウスはIgEの誘導生じない。
#4.Th2細胞から産生されるIL-31は痒みメディエーター。
    アトピー性皮膚炎などのTh2が関与する疾患では
     IL-31で多くみられ、Th17が関与する乾癬、自己免疫疾患
     では比較的少ない。
    Th2細胞が産生されるIL-31はC線維を介して痒みを中枢に伝え、
    掻破行動につながる。

(keyword)
アトピー性皮膚炎・皮膚バリア・痒み・フィラグリン・ランゲルハンス細胞・TSLP・Th2・IL-31・Th17

  

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C型肝炎のIFN治療時に出現する皮膚症状

①掻痒
②注射部位周辺の湿疹
③注射部位の皮膚の潰瘍
④脱毛 → 治療開始10~20週後にほとんどの患者にみられ、びまん性の休止期脱毛
⑤単純性ヘルペス
⑥サルコイドーシス
⑦乾癬の悪化、毛孔性紅色粃糠疹の出現
⑧薬疹(SJS、乾癬型薬疹)

参考文献:今福信一、C型肝炎患者にみられる皮膚症状、第61回日本皮膚科学会西部支部学術大会、マルホ皮膚科セミナー、P10~11

Keyword { C型肝炎、IFN、脱毛、単純性ヘルペス、サルコイドーシス、乾癬、毛孔性紅色粃糠疹、薬疹、SJS、乾癬型}

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C型肝炎患者に併発する皮膚症状

(1)扁平苔癬
口腔粘膜の扁平苔癬患者の8~24%がHCV陽性インターフェロン(interferon:IFN)治療によりウイルスが排除されても扁平苔癬の病変は改善しない場合や、治療中に扁平苔癬が悪化して疼痛を生じ接種障害を呈する。

(2)シェーグレン症候群
C型肝炎患者では、血清学的にポリクローナルな高γグロブリン血症、SS-A抗体、SS-B抗体、リウマチ因子、抗核抗体などが陽性を呈することがある。眼球、口腔の乾燥症状を特徴とするsicca症候群、関節痛を伴う。
シェーグレン症候群の診断基準を満たす人も、C型肝炎患者の25%いる。

(3)クリオブログリン血症
C型肝炎患者にみられるクリオグロブリン血症はⅡ型で、その本態はHCV粒子を含むIgMとIgGからなる免疫複合体である。
クリオグロブリン血症は、シェーグレン症候群でもみられて血管炎による下腿の紫斑、リベドや多発単神経炎の症状がみられる。

(4)非ホジキン型β細胞性リンパ腫
C型肝炎患者においては、非ホジキン型β細胞性リンパ腫の発症が多い。インターフェロン治療によりウイルスが消失すると、消退するケースが多い。

参考文献:今泉信一、C型肝炎患者にみられる皮膚症状、第61回日本皮膚科学会西部支部学術大会、マルホ皮膚科セミナーNo.209、P8~10

{Keyword: 扁平苔癬、C型肝炎、インターフェロン、シェーグレン症候群、クリオグロブリン、非ホジキン型β細胞性リンパ腫}

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尋常性乾癬の爪病変に対する低用量シクロスポリン内服療法

第21回日本乾癬学会において、周東らは尋常性乾癬の爪病変に対し、ネオーラル(成分名:シクロスポリン)が有効であることを述べている。

今回の検討で、ネオーラル内服療法は治療効果が高く、爪病変改善後に減量・中止した際も、爪病変の改善が持続するケースが多く、本剤が爪病変に対する有効な治療法となりうる。

尚、ネオーラルの投与量は多くのケースで、当初2.5~3mg/kg/日で、改善程度により1.5~0.9mg/kg/日に減少。

参考文献:第21回日本乾癬学会2006.9.29~30、周東朋子、安部正敏、石渕裕久、長谷川道子

Keyword{尋常性乾癬、爪病変、シクロスポリン、ネオーラル}

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