月別アーカイブ: 2月 2009

水疱形成を伴ったジベルばら色粃糠疹

2008年12月はじめ、頚部・体感・上肢に典型的なジベルばら色粃糠疹と診断できる落屑性紅斑が播種状に多発散在してみられる症例をみました。当院で1年に30名から50名近く毎年ジベルばら色粃糠疹と診断したことを考えると、いままでに1000名以上の症例を見たことになると思います。 しかし、この症例は腹部に明らかな水疱形成を伴う紅斑があり、水疱形成を伴うジベルばら色粃糠疹の症例は初めての経験でした。すぐに、病理組織検査と一般的な血液検査に加えてHHV6(human herpes virus type6)とHHV7(human herpes virus type7)の抗体価もあわせて測定したところ、病理の結果は水疱形成を伴うジベルばら色粃糠疹としておかしくない所見との報告とともに、HHV7に対する抗体は陽性の結果を得ました。 文献上、ジベルばら色粃糠疹の原因として細菌感染、マイコプラズマ感染、及び薬疹またウイルス感染の結果として生じるとされていますが、私自身HHV7に対する陽性の結果を得たジベルバラ色粃糠疹の症例は、初めての経験でした。 (2009.1.05)  {Keyword: 水疱、ジベルばら色粃糠疹、HHV6、HHV7、ウイルス感染、マイコプラズマ感染、薬疹、細菌感染}

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滴状乾癬の症例

2008年5月末に、20歳女性の滴状乾癬の症例が来院した。ただちに病理組織検査を行い、確定診断した。滴状乾癬では1cm以上の角化性紅斑が体幹、四肢に播種状に多発しており、ここの皮疹は尋常性乾癬のそれと同じである。本例は、皮疹発症前に咽頭炎の症状が先行した。治療は光線治療とステロイド外用、抗アレルギー剤、抗生剤の内服で、次第に皮疹の改善がみられるようになってきている。 (2008.6.12)  {Keyword: 滴状乾癬、尋常性乾癬、光線治療、ステロイド外用、抗アレルギー剤、抗生剤}

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難治性の掌蹠膿疱症に対して有効であったチガソンの内服治療

症例70歳男性、数年前より掌蹠膿疱症と診断されていた。近くの皮膚科へ3軒ほど通院したが、治療効果がないため当院受診。現症は、手足背・手掌足蹠に小水疱・膿疱を伴う落屑性紅斑を加え、肘頭・膝蓋部・顔面にも角化性落屑紅斑が認められた。光線治療およびビオチン、オウギを処方するも、効果は一進一退のためチガソン50g1Tの内服を開始した。1週間ほどで小水疱・膿疱の新生はおさまり、2週間ほどで皮膚病巣が改善傾向を示した。チガソンはビタミンAの誘導体であり、尋常性乾癬の症例にも使用されている。ビタミンAは周知のごとく油性ビタミンであり、チガソンもまず皮膚脂肪に蓄積され次いでのち血液中に出てきて血中濃度があがってくるため内服の治療効果が遅れて出現し、一方休薬してもしばらく治療効果が続く特徴がある。 (2008.6.12)  {Keyword: 掌蹠膿疱症、チガソン、ビオチン、オウギ、光線治療、尋常性乾癬}

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ネオーラルとそのジェネリック系薬剤となるネオメルク

さる皮膚科の講演会で、2人の皮膚科教授がネオメルクはネオーラルのジェネリックではないと発言されていたので、この件について検討してみた。 1. ネオーラルは、サンデミュン免疫抑制剤をマイクロエマルジョンの製剤技術により、吸収を改良した薬剤である。マイクロエマルジョンの技術特許により、ネオメルクはネオーラルと同等の吸収効果が期待できない。 2. 実際当院ではネオメルクを変更した患者さんが2名、ネオーラルの方が皮疹の効果がみられたと申し入れがあり、ネオーラルに戻したケースがあった。 3. ただメーカーに確認したところ、ネオメルクはその他のサンデミュンのジェネリックと違い、よりよくするために改善されているという。つまり、他のジェネリックよりネオメルクが、ジェネリックとしては望ましいとのこと。 4. 今回厚生省は、ネオーラルは単にサンデミュン製剤の変形であり、ネオーラルと同じサンデミュンのジェネリック製剤は、さも同じ治療効果を期待できるかのように分類している。けれど私は、油溶性のサンデミュンの吸収効果をあげるように工夫し、その特許があるネオーラルが1日の長があるように思う。同様のことが、イトリゾールとイトリコナゾールの内服にもいえ、吸収の差違により爪甲白癬の効果が大きく違ってくる。 これらの事実を、厚生省は意識的に公表を避けている。ジェネリックを勧めるのは良いが、この点をはっきりしないと医師として患者に処方する場合、後手後手になってしまう。先発メーカーに圧力をかけて、これらの事柄を医師に説明するのが遅れている可能性があり、患者にとってもさらにこれら薬剤についての詳細な情報が知らされていない状況が否定できない。 (2007.12.06)  {Keyword: ネオーラル、ネオメルク、ジェネリック薬品、マイクロエマルジョン、イトリゾール、イトリコナゾール}

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尋常性乾癬と掌蹠膿疱症の患者数

2006年12月より2007年1月18日までの期間、当院に1回以上受診された患者数を調べた結果 尋常性乾癬 100名 掌蹠膿疱症  34名 尋常性乾癬・掌蹠膿疱症とも、治療に抵抗性・難治性疾患であり、治療として光線療法、ビタミンDの内服、漢方薬、ステロイドの外用、ビタミンDの外用などを行っている。 広範囲に病巣が拡大し、通常の治療に対して反応の悪い患者に対しては、ビタミンAの誘導体であるチガソン、免疫調整剤として知られるネオーラル・ネオメルクの併用を行って効果をあげている。 今回の調査で尋常性乾癬100名の内、ネオメルク14名、ネオーラル7名、チガソン4名の投薬症例が確認された。 (2007.1.22)  {Keyword: 尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、光線療法、ステロイド、ビタミンD、ネオーラル、ネオメルク、チガソン}

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人工透析を行っている膿疱性乾癬の症例

患者さんの言によれば、尋常性乾癬の診断にて経過を見ていたところ紅皮症様に皮疹が拡大してきた。そこでステロイドの内服を投与されたところ、紅斑局面上に膿疱が多発してきたため当院に来院した。発熱はないものの、膿疱性乾癬を考え病理組織検査を行った。やむを得ず透析中のことも考慮して、現在内服中のステロイドの減量を勧めるとともに、チガソン25mg1T/1日のみ投薬を行った。すると膿疱を伴う落屑性紅斑が劇的に改善して、膿疱は消失。紅斑も消退傾向を示した。しかしながら、透析中であるのでチガソン1T/1日を週4日1T、週3日休薬にして投薬量を減らし、また患者さんと相談の上、大学病院の通院を勧める予定である。 透析中、汎発性膿疱性乾癬との症例報告は本邦に一例のみであり、その際チガソンが有効であった。その報告が、平本等(皮膚臨床38(11)1708~1709,1996)によってあるのみである。Anders Vahlguist(Dermatologica 175 :224~228, 1978)によれば、慢性腎不全のエトレチネートの薬理動態について述べ、チガソンで血中濃度が高値になること、脂肪組織に蓄積されるためチガソンを減量してもすぐには血中濃度が下がりにくいことが記載されている。    {Keyword: 尋常性乾癬、膿疱性乾癬、チガソン、エトレネチート}

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尋常性乾癬の新しい治療

当院では症例により、ネオーラル(免疫調整剤)の低量療法及び間歇療法を本年6月より開始している。月に1回の血液検査が必要であるが中等度の尋常性乾癬の症例に対してはかなりの治療効果が期待出来るのではないかと考えている。本来、腎臓移植後の拒絶反応を抑制する効果をもつシクロスポリン(免疫調整剤)が尋常性乾癬の治療に有効であることは尋常性乾癬が免疫異常に関連して発症していることを裏付ける傍証となりえるのではないかと言われている。    {Keyword: 尋常性乾癬、ネオーラル、シクロスポリン}

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尋常性乾癬の悪化要因

尋常性乾癬の発症には様々な要因により皮疹が発症及び増悪する。 #1 精神的ストレス #2 掻破、外力、日光および外科的侵襲などの物理的侵襲 #3 細菌及びウイルスによる感染症 #4 非ステロイド系消炎鎮痛剤、βブロッカー、リチウム、ACE阻害剤等の薬剤 #5 日常生活の乱れ 例えば、睡眠時間の縮小、遅延。夜9時以降の飲食。    {Keyword: 尋常性乾癬、悪化要因}

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尋常性乾癬の病因

尋常性乾癬は寛解と増悪を繰り返す慢性の炎症性皮膚疾患で以前は表皮細胞のターンオーバーの短縮、通常であれば表皮の基底層から細胞分裂して角質層ついで角化層へ分化増殖する時間は25日から28日が一般的とされ尋常性乾癬は5日から7日と時間短縮が認められそれにより尋常性乾癬は表皮の角化細胞の分化及び増殖異常の疾患ととらえていた。その後、尋常性乾癬の皮膚病巣部にリンパ球の一種であるT細胞やマクロファージが多数見られることに加え、尋常性乾癬を免疫性疾患と認識せざるをえない証拠となる論文が次々と発表されている。一つは尋常性乾癬の患者に白血病が生じ骨髄移植を行った際、尋常性乾癬の病巣が完治した症例報告。二つ目は尋常性乾癬になったことのない患者へ尋常性乾癬の人の骨髄移植を行った際、尋常性乾癬の病巣が発症してきたという症例報告。この二つの症例報告は尋常性乾癬の発症において免疫つかさどるT細胞が発症の重要な役割を果たしている証拠となるのではないかと今話題になっている。   {Keyword: 尋常性乾癬、T細胞、病因}

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掌蹠膿疱症の治療

以前難治傾向を示した症例に対して平成12年より桂枝湯+黄耆末の処方、平成13年よりさらにビオチン末、ウルソサンを追加し、かなり良好の結果を得ました。 これらの薬剤に反応のした症例にはステロイドの外用薬の使用量の軽減および自覚症の改善が確認された。 {Keyword: 掌蹠膿疱症、桂枝湯、黄耆末、ビオチン、ウルソサン}

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