月別アーカイブ: 12月 2009

血液透析患者のそう痒症に対する経口そう痒症改善剤レミッチ

血液透析患者にみられるそう痒症(いわゆる透析そう痒症)は、通常そう痒を伴う疾患に使用される抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、保湿剤、外用ステロイド剤などの治療薬では、十分な効果が得られないケースが多く散見される状況にある。 今回新しいレミッチは、κ受容体に選択的に作用する薬剤で、抗ヒスタミン薬等の従来の止痒薬で効果が乏しい実験的そう痒症モデルで止痒作用を示すとされ、2009年に血液透析患者におけるそう痒症の改善を効能として承認された。 尚、血液透析患者においては血漿中のβエンドルフィン濃度が高く、また血液透析の痒みが強い患者ほど、血漿中のβエンドルフィン濃度が高いことにより、血液透析の痒みの発現にはμ受容体の活性化が関与していることが示唆され、κ受容体はμ受容体と相反する薬理作用を示すとともにμ受容体を介して作用を抑制する働きを有するとされている。 Keyword{ 血液透析、透析、βエンドルフィン、κ受容体、μ受容体 }

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帯状疱疹後脳炎とアシクロビル脳炎の違い

帯状疱疹後脳炎は、帯状疱疹に罹患して7~10日病日以降発症し、時に6週間後に発症した例があるのに対し、アシクロビル脳炎はアシクロビル投薬2日目より通常発症するという。 尚、帯状疱疹後脳炎とアシクロビル脳炎ともに、意識障害と頭痛、羞明など共通した症状を呈する。 Keyword{帯状疱疹、帯状疱疹後脳炎、アシクロビル脳炎、アシクロビル、意識障害、頭痛、羞明}

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高齢者の帯状疱疹患者に対する鎮痛剤

慈恵大学の本田教授によれば、高齢者の帯状疱疹に対する鎮痛剤を投与する場合、NSAIDS、特にロキソニンを控えるべきであるという。なぜなら、尿細管への血管循環へ悪影響を及ぼす危険性があるとのこと。 米国では、アセトアミノフェンが第一選択で、6g/1日まで処方は許されるという。しかしながら、保険査定では1g/1日まで矛盾が存在する。尚当院では、高齢者にはロキソニンやブルフェンは投与せず、クリノリルを鎮痛剤として使用している。 Keyword{帯状疱疹、鎮痛剤、NSAIDS 、ロキソニン、アセトアミノフェン}

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乾癬の病態病理の歴史的変遷

①角化細胞(ケラチノサイト)の異常 ケラチノサイトの増殖性疾患ととられる。 ②好中球の異常   抗角層抗体説 抗角層抗体が患者末梢血中に存在、それが角層に結合し、補体を活性化しアナフィラトキシンが産生され、好中球が角層に浸潤。Munro微小膿疱を形成。 ③リンパ球(T細胞)の異常   スーパー抗原説 スーパー抗原は黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)などの細菌が産生する毒素であるが、T細胞受容体のVβ部分と抗原提示細胞のMHC分子と結合、T細胞を活性化。Th1、Tc1からTh17へ。 ④真皮内の樹状細胞(DC)の異常 参考文献:戸倉新樹、マルホ皮膚科セミナー、No201、p35 Keyword{ケラチノサイト、抗角層抗体、Munro微小膿疱、スーパー抗原、Th1、Tc1、Th17、樹状細胞}

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性器ヘルペスに対する再発抑制療法(suppressdive therapy)のエビデンス

性器ヘルペス(GHと略す)に対する再発抑制療法の効果について検討した結果、患者のQOL改善、episodic therapyに対する優位性、ウイルス排出およびパートナーへの感染防止があり、またHIV陽性のGH患者での抑制療法におけるHIVの産生および排出抑制効果について、高いエビデンスが得られた。 本邦では、抑制療法は1年間の内服後いったん中断し、その後少なくとも2回の再発がみられた場合に、治療継続の必要を検討するという。尚、1年未満の抑制療法では再発頻度が治療前にもどることがある。①一方で、5年間の抑制療法の研究では3分の2の患者で再発頻度の低下をみたという。② また、長期の内服による薬剤耐性のHSVの出現が心配されたが、ACV1日100mgでの再発抑制療法中の患者の再発病変から分離されたHSVは、対照ウイルスと同様ACV感受性をもっていた。③したがって、長期の再発抑制療法でも耐性ウイルス出現はきわめて低く、再発頻度の高いGH患者に対して積極的に再発抑制療法がおこなわれるべきと考える。④ 参考文献:①Sacks SL,Fox R, Levendnsky P et al: Sex Transm Dis 15:58-62,1988 ②Fife KH,Ceumpacker CS,Mertz GJ et al: J Infect Dis 169:1338-1341,1994 ③Honda M, Okubo T, Haegawa T et al: Antivir Chem Chemother 12:233-239,2001 ④渡辺大輔 皮膚アレルギーフロンティア 56-59 Vol17,No1,2009-3 Keyword{性器ヘルペス、GH、再発抑制療法、suppressive Therapy、HIV、ACV、単純性ヘルペス}

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帯状疱疹における腎機能低下時のアシクロビルの投与方法

腎機能低下に対して薬物の減量を検討する際、減量方法として少量分割投与法と投与間隔延長法の2つがある。腎機能低下患者におけるアシクロビルの副作用発見頻度を比較検討したところ、投与間隔延長法の方が発現頻度は低いことがわかった。 これは、腎機能低下患者においては1回量を減らしても薬物排泄が遅延し、徐々に薬物の蓄積がみられ、ある段階において危険用量を超える濃度が継続して維持されるリスクがある一方、投与間隔を延長すれば十分に血中濃度は低下する。また、少量分割投与法では治療上重要な病気の初期に、有効血中濃度が得られない可能性のことが考えられるが、投与間隔延長法では十分な量を投与できる利点がある。 参考文献:古久保拓、第1回HZ研究会 Keyword{アシクロビル、帯状疱疹、腎機能}

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PAD(Periheral Arterial Disease)の治療

The 2nd Foot-and-Leg Conferenceに参加して(平成21年11月21日) ①.下腿潰瘍の原因の中に微小動静瘻によるものがあり、これら下腿潰瘍は微小動静瘻結紮術により上皮化に導いたという。 尚、微小動静瘻の存在は超音波エコーで診断という。 ②.PAD(末梢血管疾患)に対する末梢血単核球細胞移植による治療。 短い部位の狭窄は、ステント治療が一般的であり、長めの狭窄は骨髄細胞の移植が行われている。それに対して、新しい長めの血管狭窄のために行う末梢血を使用した単核球細胞移植は、骨髄穿刺の危険性がなく、末梢血からよりだした単核球細胞が、同様の効果を示し側副枝の再生を促す。 ③.跛行を呈するPADの患者にとって、手術が不可能であった症例でも、運動療法は効果がある。また膝下のPADに人工血管は使えず、自家静脈を使用する必要があるとのこと。 Keyword{PAD、末梢血管疾患、下腿潰瘍、微小動静瘻、単核球細胞移植、運動療法、治療}

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ジベルばら色粃糠疹とウイルス感染症

ジベルばら色粃糠疹の病因は不明であるものの、早期に罹患率が減少すること、集団発生の報告があること、妊娠中に頻度が高いこと、発熱・関節痛・全身倦怠感・嘔吐・下痢等の前駆症状を伴う例があることから、感染症、特にウイルス感染症である可能性が指摘されている。① 2002年Dragoらは、ジベルばら色粃糠疹患者21例中15例の皮疹部よりヘルペスウイルス様粒子を検出した。② また、2006年にDragoら③によって、アミフロビル大量投与(1日4000mg)でジベルばら色粃糠疹の皮疹改善を早目にみたとしている。 尚2008年にDragoらは④、妊娠15週以内にジベルばら色粃糠疹に罹患すると、流産のリスクが上昇することを指摘している。 参考文献 ①渡辺孝宏、皮膚アレルギーフロンティア52-53、Vol7、No1、2009-3 ②Drago F. Malaguti. Ranieri E et al: J. Cutan Pathol 29:359-361,2002 ③Drago F. Vecchio. F. Rehora. A: J. Am. Aca Dermatol. 54:82-85,2006 ④Drago F. Broccolo F. Zaccaria E et al: J. Am. Acad.Dermatol.58:78-83,2008 Keyword { ジベルばら色粃糠疹、アミフロビル }

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ジベルばら色粃糠疹とHHV-6,HHV-7

1997年のDragoらの報告により、ジベルばら色粃糠疹においてHHV-6、HHV-7の再活性化が注目を集めるようになった。①② 1999年Yasukawaらは、ジベルばら色粃糠疹患者からの末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells:PBMC)を材料として、通常のPCR法を行いHHV-6DNAの陽性率は14例中6例(43%)HHV-7DNAの陽性率は14例中1例であったとしている③ HHV-6、7はともにβーヘルペスに属し、いずれもCD4陽性T細胞に高い親和性を有し、ウイルスの初感染は幼少期に起こり、その後はPBMCや唾液において潜伏感染の状態にあるという。HHV-6の感染は、生後3~6カ月ごろに起こることが多く、3歳以降の抗体陽性率は80%以上である。HHV-7の感染は、通常生後18カ月~3歳の間に起こり、5歳以降の抗体陽性率は90%である。 健常成人において、通常のPCR法を用いた場合、HHV-6,7の検出率は唾液では80~90%、PBMCではおよそ70~80%である。したがって、ジベルばら色粃糠疹におけるHHV-6,7の検出はウイルスの再活性化をみるものでなければなく、ウイルスmRNAの検出が必要となる。 Watanabeらは④⑤、皮疹部のウイルスmRNAの発現とその局在を比べ、ジベルばら色粃糠疹の皮疹部では浸潤している単核球に8例中6例で、HHV-6mRNAの発現、8例中8例でHHV-7mRNAの発現をみている。 参考文献①Drago F. Ranierr E. Malaguti F et al: Lanet 349:1367-1368,1997 ②Drago F. Ranieri E. Malaguti F et al: Dermatology 195:374-378,1997 ③Yasukawa M. Sada E. Machino H. Fujita S: Br.J. Dermatol 140:169-170,1999 ④Watanabe … 続きを読む

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